職場と発達障害とマネジメントとのカウンセラーの関わり

発達障害という概念が広がっていく中で、企業の中でも発達障害とどう向き合うか、という点に関しては大きなテーマとなってきていると感じます。ただ、発達障害と言っても、診断が出ている場合、当事者が自分でネットや本などを調べてそう感じている場合、あるいは、周囲の方が困ってそう思っている場合など様々です。この場では、このような状態を少しまとめた形で、職場でのアプローチをまとめてみます。

カウンセラーとしてかかわっている私の立場として、職場の機能、個人の特徴、教育、マネジメント、メンタルという複数視点で見ることを前提として意識しています。

職場で心配な人がいる、困る人がいる、あるいは、どう教えても覚えないなど、そんな観点で話題になることが多くあります。そんな中で話を聞いていくと、確かに困っていることあって、仕事がうまく進まない、負担が増えるなど具体的な問題が見えてきます。

それでも、多くの場合は、ちゃんと教えているのに、ちゃんと言っているのに、という枕詞が付いていることが多く、適切に教えているのか、適切に言っているのか、という視点でみると、必ずしもできているとは言えないことがほとんどです。

発達障害の知識がない、と言ってしまえばそれまでですが、だからと言って一般的な発達障害の知識を教えればいいのかというと必ずしもそうではありません。特徴は個々で違いますし、うまくいっている職場では、発達障害と疑うことすらないという現実もあるわけです。大切なのは、管理者やリーダーがいかにその人の特徴を知ることができるか、そして、その管理者やリーダーがいかに安心してそれをできる環境を作るのかというところで、そのための組織へのアプローチは、カウンセラーの大切な仕事でもあると考えています。そこまでやって初めて、個々の特徴を理解して対応を考えていきましょう、と伝えることができるように思います。

困っている人がいるという場合、私は、その問題と思われている人と話をさせていただくことにしています。そうやって話をする機会を持てると、その方が必死に頑張って努力してきていること、それでもうまくいかなくて悩んでいること、その結果頑張ることを諦めてしまうような状況にいることなど見えてきます。それをしっかり理解ながら、努力の方向がズレているようであれば軌道修正を少しずつすること、具体的な行動目標(ひとつかふたつ)、私が理解した特徴を本人がどう感じるかを確認したうえで、指導する人や人事にここまで伝えようと思うけどどうだろう、という確認をすること、もし確定診断がある(本人が言わなければ深追いはせず)ようであれば医師の指示の確認をすることなどを行い、組織としてどう応援していくのかを考えていきます。

最前線の現場で頑張っている人たちほど負荷が高く限られた時間と人員の中で頑張っています。だからこそ、カウンセラーがしっかり組織アプローチとフォロー体制の準備をしておかないとうまく回っていないと考えています。

問題と思われていた人と話ができれば、管理職やリーダーなどとしっかり対話し、アドバイス、お願いをしていきます。ただし、あれもこれも、というお願いは基本的にはせず、回避して欲しい行動をしないための別な行動をお願いしていきます。私の場合、最初はせいぜい2つくらいのお願いです。手一杯の管理職やリーダーが発達障害を理解することなど、とてもお願いできないからです。そうやって、本人とリーダーあるいは管理職の間に、具体的な行動目標を作っていくことが最初の一歩になります。もちろん、明らかに特徴と一致する職場ではない場合は、出来るだけ具体的なイメージを持てる形で転職を勧めることもあります。どんなに頑張りたい思いがあっても、事業の特性上合わない、ということは現実的にあり得るからです。

カウンセラーが組織にとって働く人にとって効果的であるためには、個人アプローチだけでなく、組織アプローチというものはとても大切になってきます。少なくとも、管理者や人事が納得する、あるいは、受け取れる説明をしっかりできないことには、良い変化は生まれません。

ある管理者の方が「俺たちはしっかり部下たちをフォローする。その俺たちが安心できる場所がやっとできたと思った。」と言ってくれたことがあります。とても勇気を頂ける言葉でした。

発達障害にこだわらず、その人の特徴というものは必ずあります。その最前線で頑張る人たち、それをしっかり受け取り、機能的に動かしていく管理職やリーダー、その全体を経営視点で動かしていく経営者、その関わる人たちが、ある程度の納得性と公平性を感じられる環境を作っていくこと、それぞれの安心できる場所なれること、それがとても大切なことだと感じています。

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