伝えそこなう感謝の気持ち


多くの方のお話を伺う中で、身近な関係での感謝、というものが簡単ではないのだと改めて感じます。それは職場であっても家族であっても似ているところがあり、瞬間的な感謝、継続的な感謝との間に違いがあるようです。

瞬間的な感謝については、身近であっても多くの方が表現できているようですが、継続的なものや積み上げてきたものに対する感謝についてはなかなか伝えられてはいないと感じます。

前者は、何かをしてくれた、手伝ってくれたといったその瞬間にお願いした、助かった、ということがわかるような出来事で、比較的伝えやすい状況でもあるのかもしれません。後者は、毎日当たり前のようにやってくれている、いつも頑張ってくれている、そこにいてくれる、など馴染んでしまうことで見えにくくなるものとも言えます。

実際に話してみると、感謝伝えていますよ、という方のほとんどは前者であって、後者に関しては感謝している、とは言うものの伝えてはいない、ということがほとんどです。

ところが人間関係の中で不満が出てくるのは後者の方に関してのものです。職場の場合、継続的な感謝に対して永年勤続などの形で補うことができます。ある意味、感謝の機会を強制的に作るものでもあり、感謝を伝えやすい状況になります。

ところが、家族関係になった場合、この機会がなかなかできません。記念日をうまく使うというのがひとつの選択になりますが、お祝いとして使われることが多く、感謝には繋がらないことも多いように感じます。

特にお子さんのいらっしゃる家庭の場合、このご夫婦間の感謝を伝える意識が希薄になってしまっているように感じます。あくまでの印象ですが、ある程度の世代であれば、社会的に作られた男女の役割差が大きく、それを当たり前のように思うところから、感謝を表現する意識が少ないのだろと思っていましたが、若い世代でもこの形はそんなには変わっていないように感じるのです。中には、感謝の意識すらない状況もあります。お互い、パートナーとして選んでいるにもかかわらず、いつしか感謝の気持ちを持てなくなることはとても残念なことのように感じます。もちろん初めからない場合もあるでしょうが。。。。

職場であったとしても、必要があれば面接の現場で、子育て、家族関係に対して、感謝というものをキーワードでお伝えすることもあります。永年勤続ではないですが、伝えそこなっている感謝は、きっかけがないと伝えることはできません。人生の中でほんの小さなできごとである職場でのカウンセリングの場が、大切なことを伝えるきっかけになればいい、そんなふうに思うのです。

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