問いかける力と組織の変化


人にそれぞれ個性があって、対人関係に様々な影響があるように、その人が構成する組織にも、それぞれ個性があり、対組織関係は人のように難しい関係になることが多くあります。仕事、という大義がるために、それぞれ役割を全うする、という割り切りは可能です。人と人の関係だけでみれば、嫌な相手であれば、距離を置いて、場合によっては接点を持たないでやり過ごすことも可能ですが、仕事であればそうはいきません。

 

この組織間にあるものは、人と同じように積み重なる歴史があります。その歴史をある程度把握しないと破壊以外の根本対処は難しくなりますし、その把握も決して容易ではありません。

 

だからと言って何もしないと、組織的に閉塞感が生まれ、問題行動が出てくる場合もあります。人が辞めていくこともあるでしょう。かといって、組織変更などの大きな変化を入れることも、意図がなければ出たとこ勝負になってしまいます。

 

そんな時、その組織の人たちの現状を正確に把握していくことで、絡み合う問題が見えてくることが多くあります。そのためには、言葉に振り回されず、その言葉が生み出されてしまう背景を想像し、それぞれの部門の中でフリーズしてしまっているポイントを見つけていく必要があります。

 

これには、問いかける力、というものがとても大切になっていきます。人を追い込むための問いではなく、人を救うための問い、あるいは、それぞれの正論に近づくための問いでもあるわけです。この問いが上手くいくと、本人の中にいろいろな経緯、決断した過去が思い出され、これまでの経緯が浮かび上がってきます。忘れてしまった思い、諦めてしまった取り組み、考えることを放棄してしまったきっかけ、本当にやりたかったこと。仕事という枠組みでは、こういった気づきは変化のための力強い武器になります。

 

組織は機能の組み合わせで成り立っていますが、その機能間にあるのは人によるやりとり、歴史があります。そこに目を伏せずに、受け入れ、取捨選択を未来に向かって共に決断していくプロセスをつくる必要があり、そのためには、問いかける力は、重要な役割を果たします。実際の現場では、そんなシーンを何度もみることがあります。問いかけることを丁寧に続けることで、悪人を作らない形で組織を変化に導くことも可能になります。多くの場合、きっかけは善意で有り、仕方ない状況にあることがほとんどなわけですから。

 

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