小売りや飲食に限らず、広域で事業を展開している業種では、支店や店舗が各地域に存在しています。それぞれが、地域の最前線となり事業を行っているわけですが、カウンセリングの店舗巡回をしていくと、その組織、企業の課題や、次のステップを一緒に考えていく機会が出てきます。巡回して見えてくる現状、必要な対応、それが本社機能や店舗・支店の方向と一致するからこそ、その場が生まれてくるわけです。
支店や店舗は、ある意味独立した組織であるために、ある程度の自治可能な立場と、ある程度の管理される立場と双方が存在し、そのさじ加減で支店や店舗の個性がでてきます。支店の方が、それは強くでるのが実際です。
カウンセリング巡回をしていくと見えてくることは、まずは、組織がある程度の同じ方向を見ることができているか、という点です。これは本社側のマネジメントの意識をどこに置いているか、と関係が深いところです。例えば、大雑把な言い方ですが、管理するか、放任するか、の違いです。それぞれ良し悪しがありますので、組織がどこを向いていくかと合わせて考える必要がありますが、実際に現場で気づくのは、そのズレがあるということです。
もちろん、それは結果的にそうなっているわけであって、誰かが意図したから起きているわけではありません。組織という仮想的な存在が効果的に動くためには、組織として体を成すための柱が必要なわけですが、その部分があいまいになっていることがほとんどです。
その結果は、それぞれがその場にあった自己流のやり方を悩みながら見つけ、それを進めていくことになります。それは、当事者の自信を深めていくこともありますが、それが組織としての柱にそぐわないこともあります。そのそぐわない例が増えるほど、全体としては停滞する組織に向かってしまいます。
巡回から見えることは、何より、その支店、店長の皆さんの必死さです。それと合わせて、マネジメント機能がうまく効いているか、です。うまくいかずに諦めの状態になってしまう方もいらっしゃいますが、決して最初から、ではないのです。これは、支店や店舗の長たる人が、何を知り、何を大切にして、何を変化させていけばいいのか、組織の柱たるものと合致する、現場に合ったアプローチを知る必要があり、それがうまくいっていない、ということでもあります。そのポイントを明確にして、本社の責任者がコミットしていくことが大切になってきます。
第三者から伝える情報、第三者だから言える情報、現場と対話をしているから、本社と対話しているからこそ見える全体性があります。現場を回りながら、支店や店舗、そして本社機能、マネジメント機能とより効果的に繋いでいくために、カウンセリングから始めるアプローチもひとつの手段であることを、日々実感しています。
エラー: コンタクトフォームが見つかりません。