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被害者の立場、現実のズレ


事故や事件性のある様々な出来事が起きると、そこには必ず被害者が存在します。その場合に被害者が助けを求めるのは警察や弁護士などの専門家になります。

いろいろな相談を受けている中で最近感じることは、被害者であるはずの人が、専門家に邪見に扱われているように感じる、そんなシーンが多いことです。過去にもこういうことはありましたが、最近は増えているのでは、と感じています。

こちらのコラムでも書いていますが、なかなか改善されていない実態があります。多くの場合、被害者やその家族は困った状況にあります。その困った状況の中で、混乱したり感情的になったりすることは当然のことです。その状態で専門家が効率的に処理しようとすることや、専門の世界での常識で対応していくことで、その感情を逆なでしてしまうこともあります。その結果、被害者が専門家に対して不信をもってしまえば、頑張ろうと思っている被害者の気持ちをへし折ることにもなりかねません。

もちろん、専門家には専門家の考え方があり、正当性のある対応なのかもしれませんが、そこには当事者不在があるように思えるのです。言い方を変えれば、そういった被害者の人たちに対する配慮、対応、応答、そういった部分の学びがないのではと感じるのです。

アクシデントの際に冷静に対処できることは大切なことです。冷静に状況を判断していくことは、最適な道を導くことにもなります。それでも、感情が高ぶっている、あるいは混乱している状況で冷静さを求めるのは、私は酷なことだと思うのです。

自分がおかしい人のように扱われた、いつの間には話が進んでいた、納得いかないなかで話が進んでいた、わからないから従うしかなかった、実際に被害を受けた方々からは、こういった言葉が聞こえてくることが多くあります。心理の世界であっても、説教ばかりされた、私の考え方が悪いと言われた、病気だと言われた、など類似したことは起きているのが実際です。

短い時間の中で対処しなくてはいけないという環境は確かにあるのだと思います。それでも専門家が、対応方法を学び、忙しい中でも、相手の状態、意向を理解する、それをもとに専門家の知識で対処していく、そんな形が少しでもできていけばと考えています。そのために、心理職が他の専門家の方と学びの時間を持つことも大切だと感じています。

    「被害者の立場、現実のズレ」への3件のフィードバック

    1. ジーン.W より:

      この文章を読ませて頂いて、私は医師と患者の関係が思い浮かび上がりました。近年、医学の進歩に伴い、患者の選択肢が広がるとともに、専門性の高い医療の診療を行う医師も増えてきたように捉えられるのではないでしょうか。

      医師である以上、病気の治療にあたるのみならず、根底に人を診るという姿勢も兼ね備えているはずと考えます。一方で、疾患についての知識や治療技能を持ち合わせていることと、患者の心情面への対応は、ヒトらぼさんの言葉もお借りすると、別の学びの時間を要することと言えるのではないでしょうか。

      専門性の高い分野の職業において、心理職の人間が関わった学びの時間を、研修などで導入することも大事だと考えます。と同時に、現場において、心情面へ配慮をしていくために、カウンセラーのサポートが導入されやすいような環境やシステム作りも重要になってくるのではとも考えます。

      1. wpmaster より:

        ジーン.W様

        いつもコメントありがとうございます。
        おっしゃる通り、ドクターなど専門性の高いかたとの問題として増えてきていると思います。「カルテの裏の人生を観なさい」と指導されている先生もいらっしゃいますので、そうやって少しでも多くの方が、人、との関わりかたをよりよくしていく方向に舵を切って頂ければ、と考えています。

        1. ジーンW より:

          返信のコメントをまた頂き、ありがとうございます。後で、自分が書いたことを振り返って、混乱の状況にもある当事者が、ある程度、落ち着いて、自分達が持ち得るビジョンを探るあたりまでサポートしてくれるような、ある程度の専門知識を持ち合わせたカウンセラーを頼れる機会の需要があるとも捉えられるのではとも考えました。

          色々と考える機会を頂き、ありがとうございます。

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