個人から組織までの対人サービス HPコラム 共に過ごす時間が増えること

共に過ごす時間が増えること


共に過ごす時間が増える、今の社会環境はまさにそんな状況と言えるでしょうか。普段であれば、仕事や、学校、社会活動など様々な形の時間が存在し、その中に一部として共に暮らす時間、共に過ごす時間が存在していました。1日24時間の中で、睡眠時間を除けば、数時間だったかもしれません。その数時間であっても、日々のルーチンに奔走していたかもしれません。

リモートワーク、外出自粛などの社会的な変化が起きる中で、家族やパートナー、共に過ごす時間が大幅に増えている方もいらっしゃると思います。一方で、外に出る機会が減ったことで、社会との関わりが大幅に減り、人と関わる時間そのものが減った方もいらっしゃると思います。

共に過ごす時間が増えることは、関係生に様々な影響を与えます。今までは数時間だった接点が大幅に増える、ほぼずっと、ということになります。そうなると、それぞれの生活リズムというものは当然影響を受け合いますので、これまでの自分のペース、というものを変えざるを得なくなります。夫婦であれ親子であれ、パートナー同士であれ、それぞれが影響し合うことになります。この状況に、うまく適合できている関係もあるでしょうし、そうでない関係もあるわけです。

人は多かれ少なかれ、見通し、予測にのっとった思考をしていきます。それは、それまでの日々の生活に裏打ちされたものであり、個々に異なるものです。この見通しや予測を、自分のものに合わせようとすると上手くいかないことが起こり始めます。ペースが乱れていくわけです。特にやっかいなのは、相手を気遣ったはずの予測であっても、上手くいかないことがある、ということです。

よかれと思った合わせ方が、相手にはまったく望まれていない思い込みのようなことも起きえます。短期的な休日や、ちょっとした期間であれば日常に戻った際にペースを取り戻すことで、また落ち着くことも可能かもしれませんが、今のような社会環境ではそれは望みにくいものです。こういったちょっとしたズレが、今の社会の不安を呼びやすい環境の中では、関係を悪化させていくことになります。

上手くいかないケースで多いのは、単純に相手を理解していないということであり、対話をしっかりしていないということでもあります。もちろん、しているつもりで、ということです。理解するために必要なのは、聴くことですし、聴くためには話してもらわなくてはなりません。そのための振る舞いができているのかが、最初のスタートになります。

当たり前、常識、知っているはず、わかっているはず、なんでそんな事を、そんなこともわからないの、自分で調べる、みんなやってる、どれも相手が話したくなくなる態度に見えてしまう考えです。こういった考え方の裏には、面倒くさい、自分のペースを乱されたくない、自分が努力している、指摘されたくない、自分のほうが優れている、わかっていない、など、様々なものがあるでしょう。もし、こんな思いを持った人たちが共に時間を過ごそうとすると、トラブルが絶えないことになります。場合によってはDVに至ることもあるでしょう。

避けることができない今の状況、共に過ごす時間が増える状況だからこそ、より良い関係に改善してくために、本当は望んでいた関係を築いていくためにも、丁寧に関わり方を考え直していく時間になって欲しい、そんなふうに考えています。

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