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店長の役割と現実、小売り飲食の現場から


飲食や小売りなどの分野の企業様とお仕事をさせていただくこともありますが、そんな中で、いずれの場合も存在する店長という役割の難しさが垣間見えてきます。それは10年前、20年前とは異なる景色になっているようにも思います。

そういった現場でカウンセリングをしていると、多かれ少なかれ、店長やマネージャーに対する不満は聞こえてきます。不満を言われるのも役割のひとつ、と割り切ることも一昔前では言えていましたが、昨今の現実は少し異なってきているようです。店長がいて社員がいて、という従来の形が今では珍しく、社員数をはるかに凌ぐ派遣さんやパートさんがお店を切り盛りしているのが現実になります。それでも店長や社員さんが仕事をしっかり把握していればいいのですが、今では派遣さんやパートさんの方が仕事を知っている、という現実が存在しています。

そうなると、この関係性は非常に難しくなってきます。少なくとも、現場を守る存在、責任者としての立ち振る舞いができていれば問題は起きませんが、現実はそうではなく、存在感を持てずに派遣さんやパートさんが店長や社員さんを見下していってしまう、というケースも少なくはありません。

そうなってしまうと、お店の秩序の維持、という観点で回らなくなっていきます。時代の流れとして、潤沢に人が集まらない現実に加え、職場環境がこうなってしまうと人は抜けて入らないという状況になり、シフトの維持すら難しくなっていきます。

小売りや飲食の場合、店長の存在の在り方は必要な処理をできることは必須としても、安心できる存在であるか、という部分がとても大きくなってきています。パワハラなどの話題性も大きく、しっかりとした線引きをできずに、役割を全うできずに苦しむ店長、という構図も見えてきます。

本社側、本部側が気づいて仕組みを変えていくことが大切になってくるのですが、実際には、気づけずに押し付けるだけ、なんでできないのか、と叱責するばかりになってくることも多くあるようです。

ここでも、当たり前のことですが、現実をしっかり把握する、そんな視点が足りていないことから、適切な対策、支援をとることができずに、現場が苦しんでいく、という状況が見えてきます。

カウンセリングは、そういった組織の問題を把握していくことにも力を発揮できる、そんな現実とも日々向き合っています。

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