対話型の研修


研修講師をやらせていただく機会をいただくと、いつも意識してお伝えすることがあります。それは、知識を伝えるだけの研修はしないということ。もちろん、情報を知ること、ノウハウをしること、やり方をしること、それは大切なことです。ところが、知識は、実際に使う段階になると、なかなか一歩踏み出せなかったり、具体的にできなかったり、あるいは忙しい中で諦めてしまうことなどが起こり得ます。

 

特に研修中には、なるほど、と思うことがあっても、自信の中に残ることなく、そのまま素通りしてしまうようなことにもなります。きれいな説明をすればするほど、そういったことが起こりえるように思います。

 

基本的に、私が講師をやるときは、対話型を意識しています。目の前にいる人と対話しながら、表現を変え、必要な形、受け取れる形、そして、心に残る形へと変えていくことを試みます。

 

企業の研修の場合、その人が置かれている状況に合致しなければ、一般論としては受け取れても、実際に現場で使ってもらえるようには伝わりません。場合によっては、研修慣れのためか、研修は研修、現場は現場と割り切ってしまうようなことも起こり得ます。

 

伝える内容は、相手が必要な形である必要があります。そして、具体的に自分の問題として考えられる準備が必要です。参加者が多くとも、ひとりひとりが主体的に関わっていける状況を作ることが、学びの効果を高めることにもつながると考えています。

 

そのためには、ひとりひとりの表情を見て、ひとりひとりの反応を見て、ひとりひとりに返す言葉を意識しながら進めていく必要があります。もちろん、定型の講習であれば、より負担なくできますし、効率よく大人数を対象に実施することもできます。情報展開のような糸の研修であればよいですが、職場での成長を促すものであれば、対話型がよいと思っています。

 

幸い、そのような形をご理解いただき、対話型で研修をやらせていただく機会をいただいています。それにより、企業の受講者、主催者の方にそれぞれご満足いただいていることは、ありがたい状況です。こういった研修は、全国に店舗や支店をお持ちの企業ほど、効果が生まれやすいとも感じています。少しでも、受講者の方が、よりよい形で現場でご活躍していただければと向き合わせていただいています。

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