伝えることがうまくいかない

伝えたいことが言えない、助けを請えない、そんな思いを持っている方は多いように思います。人と関わるということは、どうしても言葉でのやりとりが中心となりますので、発信できない、ということはやや不利な状況になるということもあります。

伝え方を学ぶ、ことはもちろん可能ですし、書籍としても多くありますが、そこに届く以前の状態で、それぞれの考えの中で努力している方がほとんどではないでしょうか。その努力の結果が、効果的に働いていれば何の問題もありませんが、逆効果になってしまうと途方にくれることになります。

伝えるのが苦手な人の中で、特に役割を持ってしまったときに、強引に自分主導で相手を説得しようとする方がいます。責任感や、役割を持った過信などから、自分が決める、強い自分でいなくてはいけない、そんな思に駆られ、いつの間にか上から目線なってしまうこと、知らぬ間に相手を否定する態度を取っていくこと、そんな事が増えてきます。決して、相手が憎い分けでも嫌いなわけでもなく、欲しい結果に辿り付く手段として、相手を屈服させるような振る舞いが自然になってしまいます。そうなってしまうと、望まない人間関係になり、その人のいる場は、エネルギーを失っていきます。

同じように伝えるのが苦手な人の中で、相手が嫌な思いをしてしまうと感じると言えなくなる人もいます。非常に観察力が高い方が多いように思いますが、相手の気持ちを想像してしまうがために、必要なことが言えなくなってしまいます。勇気を持って伝えたとしても、細心の注意を払った言葉になるために、相手に真意が伝わらない(相手が受取らない)ことも起こってきます。そうなると、いい方向にいかないために、自分自身も不安定になり、限界に来たときに、相手を怒らせるような言葉を発してしまうことも起きえます。

それぞれ、悪意があるわけではないのですが、効果的でない手段により自分自身が苦しくなり、相手との関係性も悪化していくことになります。この問題は、形を変えて、職場でも家庭でも起こっているケースが多く、誰かが我慢することか、関係性を切り捨てることで成り立っていることも多々あります。

そういった現場では、問題を指摘することや、手段を教えることだけでは、次の展開に勧めない場合がほとんどです。その場では、理解できたとしても、行動するためには不十分です。これまでそういうやりかたをやってきて、聞いただけで、はいそうですかと転換できる人は希だと思います。むしろ、具体的な行動の介入をし、自分が思っていなかった効果を得ることを感じ取れるまで、フォローをしていくことが大切だと考えています。

特に職場の場合は、この傾向が強く、上位管理者を交えながら、改善のための行動を共に進んでいくことが必要です。それは、個人の特性に起因する対人関係ではありますが、登用したこと、しかるべき指導をしていないこと、状況を把握できていなかったことなど、悪化させた要因は組織にあるとも言えるためです。言い方を変えれば、問題に気付いていても手をつけられなかった組織があるということです。単純に個人に原因を帰属させる精神論だけではなく、改善を感じられる体験を伴う、組織的な学びに変えていくことが大切だと感じています。そうでなければ、役割をすげ替え、人の入れ換えなど、目先を変えるだけの対応になってしまい、結果的に関係者の信頼を失うことになります。場合によっては、再スタートのための手打ちの機会も必要になります。

組織も家族も、異なる人同士が作る空間であり、その空間は当事者の努力や工夫、それを支える仕組みやルールによって保たれていきます。その努力や工夫が、効果的になるような関わり方になるよう、具体的な成長のための支援をしていくことが、人や組織に関わる私自身意識していることです。

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