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企業や組織とカウンセラーの関わり


企業や組織の中でのカウンセリングは、組織の中の個人の方とお話をすることが基本で、休職や復職の対応を含めて、フォロー側に回ることも多いと思います。基本的な要素としてそれは大切ではありますが、実際に企業や組織に関わる中で、それだけでは不十分なケースが多くあります。そういったケースは、カウンセラーの役割ではないと捉えがちですが、誰がやるかを考えると、カウンセラーからスタートすることが、結果的に良い形になることが多くあります。

 

多くの場合、カウンセリングという世界を理解している企業の方は希で、専門家として扱っていただけます。悩んでいる人や体調を崩す方など、組織としてフォローしたい方の対応を期待されます。

 

一方で、カウンセラーだからそこ見えてくる組織の状態があり、その部分は多くの場合、経営者の方の悩みの種で有りながら、手を触れられない部分でもあります。カウンセラーという役割(この呼び方が適切かはともかく)は、この問題に正面から向き合える立場でもあります。

 

個々のお話を伺う中で、もちろん守秘として守るべきところがあるのは当然として、相談者の納得する形で問題を具現化し、対策を打てる形にすることが、結果的に全体にとってプラスになるケースも多くあります。

 

個別のカウンセリングのその先には、個人や組織に対するフィードバックという大切なスキルが存在します。これは、個人から拾い上げられる問題を欲把握、分析し、組織全体として俯瞰してみたときに、何が課題なのかを掴み、場合によっては組織と共に検証し、施策を打っていく能力になります。

 

個人の相談内容に対して使っているスキルを、組織に置き換えて行っていくという実は単純なことなのですが、対象を個人から組織にした瞬間に動けなくなる方も多いようです。このあたりは確かに学びとしても少ないですので当然なのかもしれませんし、簡単なことではありません。

 

ヒトらぼでも、ひとつひとつ対話を繰り返しながら、踏み込んだり離れたり、そういったことを繰り返しながら、受け取りやすい、効果の出やすい形を、関わる皆さんと共に作っていく取り組みを行っています。

 

組織や企業では、成果や結果を求め続けられる現場と、業務を維持しなくてはいけない経営層と、それぞれが重い問題と向き合いながら、気持ちが離れていくケースが多くあります。多くの場合は、経営層が気付いていない、見えていないケースです。カウンセラーは、その両側に気付くだけではなく、そこに踏み込むスキルと可能性を持っています。労働組合とは異なる労使の間で関われる立場でもあります。人が関わる組織である以上、機械化する以外の部分は人が解決していくことが効果的と考えています。人を大切にしたい、そんな思いを持つ皆さんと関ることで、今まで以上にいい組織になる支援をできればと思います。

 

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